海外と日本では断乳の時期が違うということはご存知ですか?
そもそも日本では断乳、海外では卒乳が主流です。
断乳と卒乳の違いは、まだ子供が欲しがっているのに様々な事情でお乳をやめさせることが断乳、
自然とお乳を欲しがらなくなって子供からやめるのが卒乳です。
日本では、断乳が断然多いです。その理由のほとんどは、周りから責められるからです。
母乳が生後何か月を過ぎたら薄くなるとか、栄養のほとんどがなくなるとか言われているけど、案外根拠なんてないですよ。
でもかなりの数のおばあちゃんがそれを信じていて、そのうえなぜか二歳にもなってお乳を飲んで恥ずかしい、とか
検診の時に虫歯になりやすいから断乳をしないとダメ、だとか言われるお母さんは多いのではないでしょうか。
一歳を過ぎたころからもうお乳やめなきゃね、と徐々にまわりに言われ始め、二歳を過ぎるころになるとまだ飲んでるの、と露骨に眉を顰められた経験はないですか。
でも、本当に早く断乳した方がいいのでしょうか。
欲しがっているということは、まだ赤ちゃんにはお乳が必要なのだと思うのです。
海外ではどうなのでしょう。
今回は、アメリカ、フランス、オーストリア、マリ、北米など、海外の断乳(卒乳・離乳)の時期をまとめました。
断乳の時期、海外ではいつ?
では、海外の色々な国での断乳・卒乳事情を見ていきます。
ちなみに日本の断乳の時期は、こちらです↓
アメリカ
まずは、アメリカの卒乳・断乳の時期です。
アメリカは割と極端な国ですよね。
卒乳の時期としては基本的に一歳頃まではお乳をあげて、それ以降は欲しがるなら飲ませ、自然に任せる、という方針です。
とはいえ、五歳の子供にお乳をあげていて裁判になるとかいう事件もあったし、実際のところは自然に任せるにも限度がある、というところでしょうか。
アメリカは赤ちゃんの頃から寝室も親とは別にしますし、日本とはだいぶ子育ての方法も違いますね。
アメリカでは子供の頃から自主性を重んじ、夫婦の部屋はたとえ赤ちゃんが生まれても夫婦の部屋、赤ちゃんはたとえ0歳でも子供部屋にいさせるのが一般的です。
フランス
次は、フランスでの断乳・卒乳の時期です。
フランスでは子供は「小さい大人」なんです。
こちらも、早くから両親とは別の部屋に寝かせます。
フランスの卒乳は早く、だいたい一歳前後です。
フランスでもあまり長く授乳しているとまだお乳やめないの、と言われるます。ここは日本と似ていますね。
そもそもフランスでは、母乳が出ても早くからミルクに切り替える人も多いようです。
オーストリア
では、次はオーストリアの断乳・卒乳の時期です。
オーストリアでは自然に任せるのが主流で、母乳育児も盛んです。
かなりの数のお母さんが4歳、5歳、場合によっては6歳頃まで授乳をしています。
さすがは母乳育児に力を入れている国ですね。
日本で4歳まで母乳と聞くとかなり遅く感じますが、世界的に見ると平均卒乳年齢は4歳ごろですから、実は日本の方が珍しいと言えます。
それにしても、6歳までお母さんの母乳が出るのに感心します・・・・
マリ
では、アフリカの卒乳・断乳の時期はどうでしょう。
アフリカのマリでは、卒乳はだいたい3歳ごろです。
こちらも、母乳が主流ですね。
カナダ北部(イヌイット)
驚くのは、カナダ北部に住む民族、イヌイットの卒乳時期です。
何と、卒乳の時期はだいたい7歳ごろなのだとか。
寒いせいですかね?
とにかく日本人には衝撃の年齢であることは間違いないでしょう。
海外では断乳ではなく卒乳・離乳?なぜ?
海外では断乳ではなく卒乳が主流だと言われていますが、これもまた国によって違います。
母乳育児が推奨されている国では、自然に待つ卒乳が多いようです。
母乳育児に力を入れていない国は、卒乳も早いのです。
ちなみにWHOの見解では2歳までは母乳は欲しがるだけ飲ませた方がいいというものです。
その理由は、体がしっかりしてくる2歳ごろまでは母乳の栄養と免疫力を取り込んだ方がいいからとかいうものです。
つまり、今では母乳には2歳を過ぎてもきちんと栄養があると考えられているわけです。
なのにいまだに日本人にはその考えは浸透しておらず、子どもが離乳食を食べだしたら
「母乳には栄養なんてほとんどなくて、水分だけだからあげなくてもいい」とかいう人たちがいます。
なぜなんでしょうね。
そして、世界の平均卒乳年齢は4.2歳なんですよ。
4歳とかもうご飯もしっかり食べるのにまだお乳を飲むんだと思いますが、世の中には7歳になっても飲んでいる子供もいますからね。
でもよく考えてみれば、WHOは栄養状態があまり良くなく母乳に頼らざるを得ない発展途上国のことも踏まえての平均なわけですから、
必ずしも日本に当てはめることはできないようです。
それに大きくなってからも母乳を飲ませ続けて虫歯になった、というのは実際のところ母乳のせいではない、という話ですし、
子供にとってそこまでデメリットはないようですが、そうはいっても母乳を続けているとやはり夜、お乳を飲むために睡眠が阻害されたりします。
母親にとってもなかなか夜に眠れない、子どもが重くて大変などいろいろあります。
ただ長く飲ませている母親ほど、がんになるリスクが低いと言われています。
断乳の時期、海外では?:まとめ
結論としては確かに世界では母乳をあげる期間は長めのところが多く、特に母乳育児が盛んなところでは自然に卒乳を待つ、ということが多いようですが、
だからと言って1歳で母乳をやめていけないわけではありません。
子供が離れればやめればいいし、母親が負担に思ったらやっぱりやめてもいいのではないでしょうか。
母乳育児も卒乳の時期も時代や国によって大きく違います。
母子手帳の中身も、上の子と下の子では違うことが書いてあったりするわけですから。
断乳でも卒乳でも、母と子が納得すればそれでいいのではないでしょうか。
断乳関連の記事は、こちらもぜひご覧ください↑
コメント