蕎麦屋は日本古来の歴史ある食べ物ですよね。
蕎麦屋の庵とは?砂場?更科?藪?だんだか聞いた事があるようなワードですよね。
意外とその意味や違いを知らない方も多いのではないでしょうか。
今後に蕎麦を食べる時に思い出せるように、蕎麦に親しむ意味を持って、この機会に一緒に勉強してみましょう。
蕎麦屋の庵の由来と意味って?
蕎麦屋の名前には、なぜか「庵」という文字がついている所が多いなと思いませんか?
庵とはどのような意味なのでしょうか?何故何件も同じ言葉をつけているお店があるのでしょうか?
庵は、普段はあまり使われる事のない漢字ですが、読み方としては(あん)と言います。
庵という言葉の由来としては、昔はお坊さんが住む小屋に使われていた言葉です。
そのお坊さんでそばの名が居て、周囲の人がその蕎麦を目当てにたくさん集まってきたので、
蕎麦屋さん=庵という名前が使われるようになりました。
なのでそれ以降に出来たお店も名前借りて庵という名前を付けたのです。
それは江戸時代中期頃に流行ったそうです。それだけを聞いてみても、
お蕎麦の歴史が日本にどれほど昔から親しまれてきたのかが分かりますね。
蕎麦屋の砂場の由来と意味
蕎麦屋で聞くことのあるワードで、「砂場」というものがあります。
それはどのような意味なのでしょうか?
砂場蕎麦の名前の由来としては、大阪城を建築時の資材置き場の砂場から取られた名前です。
そこの砂の置き場近くで蕎麦を食べる事が出来たので、言いやすさからそのまま砂場蕎麦と言われるようになりました。
砂場蕎麦の蕎麦麺の色は、灰色です。そばの甘皮のみを取って挽くと灰色に仕上がります。
そのだしの味はわりとあっさりめで食べやすい味なのが特徴と言えます。
蕎麦屋の更科の由来と意味
更科蕎麦という名前も聞いたことはあっても、その意味は知らない方のほうが多いかと思います。
更科蕎麦の名前の由来は、信州更科蕎麦が発祥であるからではないかと言われています。
更科蕎麦の麺の色は白色です。蕎麦の芯の白い部分のみを使って、引いて作るので色は白色になります。
その見た目はキレイな白色をしているので桐箱に入っているのを見ると、
高級感を感じる事ができますのでご贈答品としても好まれます。
だしの味は甘いけれどもあっさりとしたつゆなのが特徴です。
蕎麦屋の藪の由来と意味
藪蕎麦というのもよく聞く名前ではありますが、由来や意味は知らない方のほうが多いですよね。
藪蕎麦という名前の由来としては、昔から好きなお店をお店の名称ではなく
愛称で呼ぶことが多かったらしく、美味しい蕎麦屋さんが
藪の中にあったことから藪蕎麦と言われるようになっていきました。
藪蕎麦の麺の色は鮮やかな緑色をしています。蕎麦の甘皮ごと挽いてしまうので緑色に仕上がります。
緑色の蕎麦を見ると昔ながらの蕎麦というイメージがあって、
蕎麦屋さんでしか食べないような一般の家庭では食べる事のない職人さんが作っているイメージがあります。
だしの味は濃くて辛いのが特徴で、よく蕎麦はつゆによく浸さないで
少しだけ浸して食べるのが良いと聞くのは、この味の濃い藪蕎麦の事を言っています。
蕎麦通の人がつゆに麺をつけすぎないで食べるのが美味しい
と言っているのを見る事が多いかと思いますが、
そのイメージ通り江戸の食べ物なので
江戸っ子がこだわりをもって食べているおいしい蕎麦屋さんといえば藪蕎麦という印象です。
蕎麦屋の庵・砂場・更科・藪の違い
お蕎麦やさんというとよく聞くワードとして、「庵」「砂場」「更科」「藪」というのを取り上げましたが、それらの違いについて考えてみましょう。
まずは庵というワードですが、お店の名前に使われるワードだというお話を先ほどさせて頂きました。
美味しいと評判の蕎麦を食べられる場所がお坊さんの住んでいた小屋で、
そこを庵という呼び方であった為に
蕎麦屋を新しく出店する時に名前を借りて庵と付けた所が多いのですね。
有名な昔ながらの蕎麦屋にはやはり「庵」という言葉が名前に付いている所が多いような気がします。
では、「砂場」「更科」「藪」の違いとは何でしょうか?
まずは麺が違いますよね。砂場は甘皮のみ取り除いて挽いているので
灰色になるのに対して藪は甘皮ごと挽いているので緑色になります。
更科は芯の部分しか使われないので白色をしています。
なので、その見た目から大きな差があります。
蕎麦の実の使われ方が違う通りに、その食感や風味に差もでてくるので
こだわりをもって蕎麦の種類を選んで食べている方も蕎麦通の方には多いのかもしれませんね。
また、蕎麦つゆにも大きな差があります。砂場はわりとさっぱりしていて食べやすいつゆです。
藪は甘辛くて濃いので蕎麦には少しだけつけて味わうような風習があります。
更科は甘めでさっぱりしています。
そばは栄養があります。ですが、茹でたときにお湯の中に流れ出てしまう部分も大きいのです。
ですが蕎麦の場合は、つゆまで蕎麦を茹でたお湯で割って飲む事もありますよね。
その蕎麦湯にはポリフェノールやたんぱく質が多く含まれていますので
お肌の状態をよくしてくれる等の若返り効果も期待できますよね。
最後まで余すことなく、栄養も逃す事無く美味しく食べられるので蕎麦はとても優秀な食材ですよね。
麺の作り方も違うので味わいが違うのもありますし、
その麺を作られた地方の好みの味付けもあるかと思います。
蕎麦湯も使って、つゆの味わいもそれぞれで比較しながらすべて味わいつくしてみましょう。
蕎麦屋の庵の由来、更科・藪・砂場の違い:まとめ
これらを考えても分かる通り、蕎麦には深い歴史やその地元の人々に長く愛されてきたのだなという事が分かると思います。
そのお店を名称ではなく、親しみを込めて特徴等から愛称で呼ぶ文化も今はないので、なんだかおもしろいですよね。
せっかく日本人に生まれたので蕎麦の歴史に触れてみてすこしでも頭の片隅に入れておいてみるのもいいかもしれません。
そばの色や食べる地方によって味も食べ方も異なりますので「砂場」「更科」「藪」の名前を聞いたら、由来や意味を思い出しながら食べてみると、更に味わい深いものになるかと思います。
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