鯖は魚へんに青と書きますが、その名の通り背中の青い模様が特徴です。
魚の見分けが苦手な方でも、簡単に見分けることができます。
そして、庶民の味方でもあります。
今回はそんな鯖の脂のお話です。
鯖の脂で太る?むしろ痩せる?
鯖を適量食べると、痩せます。
鯖は、日本的魚の分類では「青魚」です。別に背中が青いからではありません。
鰯(イワシ)や鯵(アジ)、秋刀魚(サンマ)と同じ仲間に分類されています。
この青魚の特徴は、脂に不飽和脂肪酸が多いことです。
不飽和脂肪酸はダイエット効果がありますので、脂で痩せると言いきれます。
また、鯖で太る原因はカロリーが多いことです。
不飽和脂肪酸とはいえ脂が多いので、脂の旨みを楽しめますが、カロリーも多いです。
同じ魚の一切れでも、白身魚の鯛(タイ)や鱈(タラ)よりも高カロリーです。
ですから、鯖は適量食べれば脂の効果によって痩せますが、食べ過ぎ又は調理方法によっては太ります。
鯖の脂の栄養・効果効能
鯖は不飽和脂肪酸の中でも特に中性脂肪を下げる効果のある
DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)などの必須脂肪酸を多く含んでいます。
必須脂肪酸は体内で合成できないので、食事で摂ります。
DHAやEPAと聞くと、「頭が良くなる」「血液サラサラ効果」成分としてご存知の方も多いと思います。
特にEPAの「血液サラサラ効果」と「GLP-1を出す細胞を刺激する効果」が、鯖の脂で痩せることと直結しています。
鯖のEPAの「血液サラサラ効果」で痩せる!
EPAの血液サラサラ効果は「血液中の中性脂肪を低下させる」ことです。
いわゆる高脂血症といわれるコレステロール、すなわち中性脂肪が多い状態です。
血液ドロドロ状態ですね。
動物性たんぱく質の卵や肉の食べる量が多いと、この状態になるといわれています。
ところが卵や肉を青魚に置き換えると、中性脂肪低下作用によってコレステロール値が下がります。
血液ドロドロ状態がサラサラになるんです。
これって何がスゴイって、血流がスムーズになると血圧が下がります。
そして、血液によって多くの酸素や栄養分が体の隅々まで運ばれるようになります。
また、血流が良くなると老廃物を排出しやすくなります。
その他、肝臓に脂肪をため込まなくなります。
これがダイエットというよりは、「体内の断捨離」ともいうべき効果です。
EPAの血液サラサラ効果はダイエットだけでなく、体全体が元気になって若返る効果もあります。
鯖のEPAの「GLP-1を出す細胞を刺激する効果」がスゴイ!
EPAのもうひとつの効果は、GLP-1を出す細胞を刺激することです。
このGLP-1は、必要以上の食べ過ぎを抑える働きのあるホルモンです。
誰の体内にもありますが、小腸を刺激する食物を食べると多く分泌される特徴があります。
そこでEPAが注目されています。
EPAは、GLP-1を出す細胞を刺激する働きがあります。
サバ缶の消費量が多い地方で、やせ型の人が多いという調査結果に基づいて公表され、サバ缶が品薄になる騒動に発展しました。
鯖の脂はダイエット中は良いの?
ダイエット中は少量で腹持ちの良い食品をバランスよく摂ることで、摂取カロリーを減らした空腹感をまぎらわせることができます。
意外に感じるかもしれませんが、ダイエット中の腹持ちの鍵を握るのは、油脂です。
そこで、脂の多い鯖を上手に取り入れることで、腹持ちを良くします。
その上、その脂が肉であれば飽和脂肪酸ですが、鯖であれば不飽和脂肪酸となり先ほど紹介した効果を体内で発揮します。
庶民の味方の鯖は、ダイエットの強力なパートナーにもなります。
鯖の脂の太らない調理方法・摂取方法
ダイエットに効果のある鯖を、美味しく食べられる調理方法をご紹介します。
まず一番に考えられるのが焼くこと、そして煮ることです。
鯖を焼く
鯖を焼く時は、グリルで焼きます。
もちろんグリル以外でも良いのですが、油を使わないで焼きます。
余分な脂が下に落ちて、適度な量の脂が残ります。
また、フライパンに油をひいて鯖を焼いても余分な脂を減らすことができます。
ただし、焼けた鯖をいったんキッチンペーパーの上にとって、脂をとってから盛り付けてください。
「余分な脂」を連呼していますが、鯖に含まれる脂全てを取り込むよりも、適度な脂を取り込むほうが美味しく感じられ、太りません。
特に加熱すると鯖の身がふっくらとして、肉汁が充満してきます。
まさに至福のひとときです。
話をもとに戻します。
鯖を焼く時は、水分を取り除くことが重要です。
食品用脱水シート(例:ピチットシート)を使って水分をとり、焼く直前に塩を振ると塩分の摂り過ぎを防ぎます。
時間のある時は、鯖を2枚又は3枚におろしてラップをしないでそのまま冷蔵して、水分を飛ばす方法もあります。
水分を飛ばすことで旨味が凝縮し、鯖本来の味を楽しめます。
食べ物本来の味を楽しむことで、調味料を減らしてついでに主食やお酒を減らすことでダイエットできます。
鯖を焼いて食べる料理
鯖を焼くといえば、塩焼きです。
この他に、醤油漬けや味噌漬け(西京漬け)、粕漬もあります。
また、醤油ベースのつけ汁に柚子などの柑橘類の絞り汁を加えた、幽庵焼きも鯖にピッタリの料理です。
我が家ではタンドリーチキン風の鯖を作ることがあります。
ヨーグルトにカレー粉やケチャップを加えたものに、水分を取り除いた鯖を漬け込んでから、グリルで焼きます。
その他にも、ムニエルの小麦粉の半分の量を唐揚げ粉に変えて、ちょっとスパイシーなムニエルを作ることもあります。
このスパイシームニエルの特徴は、粉に味がついているので、鯖に塩で下味をつけなくても良い点です。
塩焼きを食べる時には、醤油ではなくレモンやスダチなど柑橘類の果汁をかけます。
柑橘類の果汁にはビタミンCの他クエン酸も多く含まれています。
鯖と一緒に摂ることで、脂の後口をさっぱりできるとともに、体内で新陳代謝を良くする働きもあります。
全てダイエットにつながります。
鯖を煮る
鯖といえば味噌煮です。
味噌煮はカロリーも高くなりますので、ダイエット中は食べる量を減らす必要があります。
また、最近では味噌煮に豆板醬を少し加えて、ピリッとした味に仕上げる方法もあります。
トウガラシの燃焼作用で、発汗作用や体温上昇によって、ダイエット効果も期待される食べ方です。
この他に鯖を煮る時は、醤油味も多いですね。
我が家では、煮るときには味噌煮が多いのですが、時間がある時にはトマトと合わせます。
正確には、鯖のムニエルを具だくさんのトマトソースと合わせてサッと煮ます。
鯖の骨に気をつける必要がありますが、人気のメニューです。
もう一つ我が家の人気メニューをお伝えします。
鯖の煮つけを、グリルで焼きます。
味がしっかりしているので、焼くことで香ばしさをプラスします。
醤油煮でも味噌煮でもどちらでも焼きます。
鯖を生で食べる
鯖は生で食べる時には、〆鯖にします。
鯖の刺身は絶品ですが、アニサキスという寄生虫の心配もあります。
そこで、〆鯖です。
ずぼらな私は、刺身をカルパッチョソースに漬け込むという暴挙に出ることもあります。
30分くらい漬け込むと、〆鯖とは違う風味豊かな洋風の〆鯖になります。
また、〆鯖を「ぬた」と呼ばれる酢味噌和えにすることもあります。
鯖はアレルギー症状が出やすい魚で、特に刺身や〆鯖などで多く発症する方がいます。
アレルギーが心配な場合、加熱調理をおすすめします。
鯖の脂で太るよりくむしろ痩せる?ダイエット中も安心な調理方法:まとめ
鯖は脂を多く含みますが、その脂は不飽和脂肪酸を多く含んだ、体にとても良いものです。
ただし脂はカロリーも多く含んでいます。
そこで、鯖の適度な量の脂を食べることをおすすめします。
鯖のお刺身は低カロリーの調理方法ですが、アレルギー症状を起こしやすいので、〆鯖にするか、できれば加熱調理をしましょう。
鯖の水分を飛ばして旨味を凝縮し、必要以上に濃い味付けにしないことで主食やお酒の量をコントロールして、ダイエットを成功させましょう。
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