ハロウィンは、仮装をする日と思っている方もいるのではないでしょうか?
はたまた、「トリック・オア・トリート」と言って、お菓子をもらう行事と認識されている方もあると思います。
でも、なぜハロウィンは仮装をするのでしょうか?
今回はハロウィンの仮装の歴史から、ハロウィンのことを掘り下げていきます。
ハロウィンの仮装の歴史
ハロウィンは、ケルト人の年越しのお祭りです。
古代ケルトでは、10月31日が1年の終わりの日で、死霊が来て作物を荒らしたり、子供をさらうとされていました。
そこで、死霊を祓うための宗教儀式が行われ、ケルト人は魔除けの仮面をかぶっていました。
もともとは、死霊から身を守るための仮面が仮装の始まりです。
イベント化したハロウィンの仮装
アメリカでは、ハロウィンは宗教的な意味合いより、収穫祭の位置づけです。
子供が「トリック・オア・トリート」と言いながら、近所を訪ねる秋のお祭りでした。
ところがイベント大好きなアメリカでは、ハロウィンを一大イベントに変えていきます。
1974年にニューヨークで、世界最大規模のハロウィンの仮装パレードを開催したのです。
このパレードは、「ニューヨーク・ヴィレッジ・ハロウィン・パレード」で、仮装をした人は誰でも参加できるイベントです。
宗教的な意味合いはなく、一般市民の他に、ダンサーや大道芸人、バンドも参加して、山車も登場する大パレードです。
この頃からハロウィンの仮装は、目立つためや変身願望をかなえる仮装に変わっていきました。
というより、ハロウィンが子供のイベントから、大人のイベントに変わっていったといえます。
また、1990年頃から一般の人たちのコスプレも盛んになっていきました。
コスプレがマニアの中のものから、一般の人に見せる、表舞台に出てきたのです。
イベントの仮装に目立つ格好で参加したいアメリカ的なハロウィンは、
わかりやすさとSNSによる発信で爆発的に世界に広がっていきました。
日本でも仮装するようになったのはなぜ?
日本でハロウィンの仮装をするようになったのは、キデイランド原宿店がきっかけです。
1970年代から、キデイランド原宿店ではハロウィン関連商品の販売を始めましたが、
世間にハロウィンの仮装が知られていないので、そこまで売り上げが伸びませんでした。
そこで、1983年に日本で初めてハロウィン・パレードを開催しました。
やっぱりいくらハロウィン関連の商品を売っていても、仮装する場所とかイベントがないと売れませんよね。
ということで、日本で初めてのハロウィン・パレードは
キデイランド原宿店の販売促進の一環としてのイベントでした。
そして、徐々に「ハロウィンは仮装をする」という認識が広まってきたときに、
東京ディズニーランドが1997年に1日限定のイベントを開催しました。
「ディズニー・ハッピー・ハロウィン」です。
ディズニーランドに仮装した人が集まるイベントですが、
2000年には「ハッピー・ハロウィン・トワイライト・パレード」が開催され、
仮装した入園者とキャラクターが一緒にパレードしました。
このように、ハロウィン・パレードが開催されるようになることで、
日本人にも「ハロウィンは仮装してパレードをする」といった考えが定着していきました。
ちなみに、市街地で開催される神奈川県川崎市の「カワサキ・ハロウィン・パレード」も1997年から開催されています。
現在では、3,000人のパレードを見るために10万人が訪れるイベントに成長しています。
ブームの火付け役は、若い女性!
やっぱりイベントを開催することが、季節行事としてハロウィンを定着させ、市民の中にムーブメントを起こす、きっかけになります。
下世話な言い方をすると、若い女性にうけると、ブームは成功するそうです。
男性の中のブームはそれほど広がりませんが、若い女性に火が付くと、老若男女問わずブームとして広がります。
一説には、女性のブームは男性を連れていくけれど、男性のブームは女性を連れて行かないからともいわれています。
では、若い女性に人気のものが全世代に広がる理由を説明しますね。
若い女性に火が付くと、同年代のママにも飛び火します。
ママたちは、子供と一緒に盛り上がり、パパも巻き込みます。
イベントは、保育園や幼稚園だけでなく、子供の通う場所であればどこでも広がります。
そして、子供の年齢が同じでも、ママの年齢は異なります。
これで、一気にすそ野が広がります。
ここで参入するのが「ばあば」です。
孫が可愛いので資金を提供し、「ばあば」仲間で孫自慢が始まり、対抗心に火が付くのです。
結局、若い女性をターゲットにしてハロウィンは大成功しました。
海外と日本の仮装の違い
ケルト人の仮面が仮装の始まりですので、海外の仮装はお化けが一般的です。
悪霊から身を守るためなので、怖いものや恐ろしいものに仮装します。
ドラキュラや魔女、悪魔、ヴァンパイア、ゾンビ、フランケンシュタインが人気(?)です。
そして、日本の場合は仮装というよりコスプレです。
ハロウィンとは関係のないものも多くあります。
手っ取り早く、市販のピカチュウの着ぐるみもアリです。
また、2011年にユニバーサル・スタジオ・ジャパンが始めた「ハロウィン・ホラー・ナイト」によって、ホラー系も定着してきました。
でも、日本人はカワイイ系が好きなので、魔法使いか黒猫のカワイイタイプが人気です。
そして、ホラー系といえばマイケル・ジャクソンの「スリラー」という発想も根強く、
ゾンビよりマイケル・ジャクソンの仮装で踊るパターンも見受けられます。
ハロウィンの歴史・由来
最初にも少し触れましたが、ハロウィンは元々ケルト人の年越し行事です。
ケルト人の年越し行事は収穫祭でもあります。
古代ケルトでは、かがり火をたいて作物と動物をお供えしました。
その時に、祭司が火の周りで踊ります。
踊ることで、火を清めるわけです。
そして、この火を各家庭に持ち帰って、かまどの火を新しくつけて家を暖めました。
1年のこの時期には「門」が開いて、死霊たちが自由に行き来すると信じられていたので、
収穫祭で持ち帰った新しい清められた火で家を暖めることで、
死霊が家庭に入れないようにしたとされています。
ハロウィンの名前の由来
そして、ハロウィンの名前の由来には、宗教が絡んできます。
ケルト人の祭りはカトリック教会の「万聖節(諸聖人の日)」と同じ日です。
「万聖節(諸聖人の日)」は“All-hallow Evening”ですので、短縮形が語源になっているといわれています。
でも、カトリック教会では公式行事としてハロウィンはありません。
プロテスタント教会では「万聖節(諸聖人の日)」もありません。
宗教は複雑です。
まとめ
今回は、ハロウィンの仮装の歴史を取り上げました。
ハロウィンの仮装ひとつをとっても国民性が表れていますね。
そして、世界中みんな仮装が好きだということも言えます。
あなたは、何に仮装しますか?
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